物が二重に見える(複視)
片目で見たときに二重に見えることを「単眼性複視」、両目で見たときに二重に見えることを「両眼性複視」といいます。前者が生じる原因の多くは、白内障や乱視が関係しています。それに対して後者は、斜視や眼球運動障害などによる目の位置のズレが原因となることが多く、適切な検査と治療のタイミングが、より一層重要となります。
考えられる疾患(単眼性複視)
考えられる疾患(両眼性複視)
①幼小児
- 先天性
- 脳腫瘍
②若年
- 先天性
- 甲状腺眼症状
- 多発性硬化症
- 脳腫瘍
③中高年
- 甲状腺眼症状
- 多発性硬化症
- 脳腫瘍
- 脳動脈瘤
- 脳梗塞
- 眼窩偽腫瘍
- IgG4関連疾患(ミクリッツ病)
- 海綿静脈洞症候群
- Tolosa-Hunt 症候群
④全世代共通
- スマホ斜視
- 外傷(眼窩底骨折など)
- 重症筋無力症...など
コラム~スマホ斜視~
スマホやタブレットなど、デジタル機器使用が原因で急性内斜視(内側に眼が向いたままになってしまうこと)になることが問題になっています。その理由としては、使用時の眼からの距離が平均20cm(紙媒体の平均30cmと比較して短い)、読書などと比べて視線を動かす範囲が狭いため近見反応が長時間持続していることが考えられています。特にベッドに横になりながらスマホをいじるのは危険です。
予防策として下記を守っていただけたらと思います。
- 画面と眼の距離を保つ(スマホで30cm以上、パソコンで50cm以上)
- ゲームやスマホの1日使用時間を決める
- 20分に1度、5分程度は休憩する(遠くを見てリフレッシュ)
- 基本的に屋外で遊ぶこと