大事なお子様の眼の健康を守るために、学校(幼稚園・小学校・中学校・高等学校)では定期的な健康診断が義務づけられています。毎年すべての児童・生徒を対象に、視力検査、外眼部検査(眼の周りや眼の表面の検査)、眼位検査(眼の位置の検査)、色覚検査などが行われます。
健診でわかること
視力検査がA判定ではなかった場合は、早めに眼科を受診することをおすすめします。学校検診の視力検査はA・B・C・D判定での簡易的な評価であり、眼科で行う視力検査とは異なります 。視力低下の原因として、近視・遠視・乱視やその他の病気が考えられ、原因によっては放置すると視力が育たなくなってしまう(弱視になる)可能性があるため、早めの眼科受診が大切です。他に、外眼部検査では霰粒腫や麦粒腫(ものもらい)、アレルギー性結膜疾患など、眼位検査では斜視や斜位、色覚検査では色覚異常の疑いをスクリーニングすることが可能です。
健診で引っかかったら?
学校健診で眼科の受診を勧められた場合は、学校から渡された用紙をご持参の上、眼科を受診してください。
眼科では詳細な視力検査のほか、眼底検査など必要に応じた検査を行います。眼鏡やコンタクトレンズをご使用の場合、それがお子様にあっている(適しているかどうか)を確認できるのでお持ちください。
検査結果に応じ、経過観察で問題ない場合、視機能回復のための訓練が必要な場合、点眼による治療を行う場合などがあります。必要があれば、眼鏡やコンタクトレンズの処方も検討します。
子供の眼鏡処方箋は当日発行できない!?
子供の屈折・視力検査の際、調節力により本来のピントと異なるデータが出力されることがあります。その数字を参考に眼鏡処方箋を発行して眼鏡を作ってしまうと過矯正となってしまうことがあります。そこで、中学生くらいまでは、眼鏡を処方する場合は調節麻痺点眼(サイプレジン)により調節力を落として、本来の屈折を把握し、点眼前と後でのデータを比較しながら、その人に最適な度数を考慮します。しかし、調節麻痺点眼をした当日には眼鏡の処方箋を発行できない場合がございますのでご理解ください(瞳孔間距離が点眼の前と後で異なるため眼鏡の大きさが変わる可能性があるため)。